生命保険は結婚してから考えればよい。
子供が生まれてから考えればよい。
そんな考えの方も少なくありません。
はたして、「独身に生命保険は本当に必要なのか?」
①病気・ケガ
②死亡
③高度障害
3つの状態に分類し、考えていきます。
独身が病気・ケガになったとき
結論、病気やケガに対する医療保険はあってもなくても良いです。
病気になったとき大手会社員だと、
手厚い公的保障が得られます。
ただし、
個人事業主は会社員に比べて保障は薄くなります。
下記に述べる公的保障を理解した上で、
自分が必要だと思う範囲で加入すればよいかと思います。
3割負担(会社員&個人事業主)
国民健康保険or健康保険組合に加入している方は
医療費が3割負担でOKとなります。
病院に掛かった際に保険証を窓口に提出すれば適用となります。
高額療養費制度 (会社員&個人事業主)
国民健康保険or健康保険組合に加入している方は
1か月の医療費が大きくなりすぎないように
上限を超えた分は国または組合より支給されます。
上限額は所得により異なりますが、9~14万円程度の方が多いです。
傷病手当金 (会社員)
健康保険組合に加入している方は、
病気やケガで会社を休んだ時に傷病手当金が受けられます。
4日以上休んだ際に
1日当たり【平均の標準報酬月額×2/3÷30日】
が支給されます。
付加給付 (一部大手企業の会社員)
一部の大手企業の健康保険組合に加入している方は、
医療費が健康保険組合独自で定める上限額(2.5万が多い)
を超えた際に、超えた金額が給付されます。
先進医療特約
これらの公的保障が全く適用されない手術・治療費があります。
それは先進医療です。
がん(陽子線治療、重粒子線治療など ※部位による)
家族性アルツハイマー病(診断)
C型肝炎ウイルスに起因する肝硬変
全身性エリテマトーデス
関節リウマチ など
が挙げられます。
詳細はこちらをご参照ください。
各種保険会社共に数100円で特約を付与できます。
独身が死亡したとき
「稼ぎ頭の自分がいなくなれば家族に負担を掛けるが、独身の今は死んでも誰にも迷惑は掛からない」
時折、このような考えの方がいらっしゃいますが
果たして本当なのでしょうか?
下記に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
葬式代・墓代
2017年に日本消費者協会が行ったアンケートによると、
葬儀費用の全国平均は195万円といわれています。
内訳は
葬儀社に支払う式の料金、僧侶へのお布施や火葬費用
なども合わせた費用となります。
とはいえ、平均金額よりも安く抑える方法はあります。
家族葬:約115万円
一日葬:約30万円
直葬 :約10〜20万円
(式を行わずに直接火葬に進む葬儀)
ただし、
格安の葬儀は親戚や家族間において
トラブルになるケースがあります。
そんなトラブルを避けるために
葬儀費用分の死亡保障に加入しても良いかと思われます。
奨学金
奨学金を借りている方も少なくありません。
そんな奨学金ですが、
病気やケガ・死亡したときにどうなるのでしょうか?
病気・ケガ
申請により返済猶予。
死亡
連帯保証:連帯保証人に債務が移行する。
機関保証:保証会社に債務が移行する。
最も厄介なのは、
連帯保証契約をした場合です。
この時に自分が死亡したときに
連帯保証人である親・兄弟に
奨学金の返済義務が発生します。
ご家族に迷惑を掛けたくない場合は
独身でも死亡保障に加入しても良いかと思います。
独身が高度障害になったとき
高度障害になってしまった時が
最も経済的に恐ろしい状況になります。
高度障害とは
高度障害保険金の支払対象となる障害のことで、
具体的には下記のいずれかに該当した状態をいいます。
- 両眼の視力を全く永久に失ったもの
- 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
- 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
- 両上肢(=腕)とも、手関節以上(=手首から先)で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
- 両下肢(=足)とも、足関節以上(=足首から先)で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
- 1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
- 1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
これら高度障害状態になると、
『働けない・一人で生活できない状態』
になるケースが多いため、
【介護】が必要となります。
その介護費用は平均15万円/月とも言われています。
ただし、高度障害保険金の請求割合は
全体の0.2%とかなり低いようです。
そのため、
高度障害に対して分厚い保障の生命保険に加入することは
確率論的に疑問が残ります。
ただし、多くの生命保険は
死亡保障と高度障害保障がセットになっているので
掛金が安い収入保障型の保険でカバーするのがベストでしょう。